豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~


「何?」
光恵はどうにもつっけんどんな言い方になってしまった。
おそらく彼は悪くない。
光恵のこの気持ち、わだかまりは、すべて光恵の問題。


わかってるのに。


「ゆうみの為に、事務所が改訂を願い出たって聞いた」
「うん」
「ごめん、本当に」
「なんで謝るの? 孝志には関係ないじゃない?」
「でも俺が舞台に帰るって言ったから、いろんな制限がかかった」
「……仕方ないわ。事務所には事務所の立場があるし」


光恵は「話は終わり?」と表情で訊ねた。早く孝志を追い返したかった。


「ミツ」
孝志が一歩光恵に近寄る。光恵は少し後ずさった。


「俺は帰ってこないほうが良かった?」
「……いいえ」
「俺たち、こんな感じじゃなかったよね」
「そう?」
「俺……」
孝志は髪をかき上げた。


「どうしてミツにばっかり頼りたくなるのか、よく分からなかった。でも今はよく分かる」



「俺、あの頃、ミツのことがすごく好きだったんだ」

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