豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~


「秘密にしときたかったら、ここでキスするなよ、馬鹿だなあ」
「周りが見えてねーんだ、アイツら」
「やっぱり、孝志はミツな訳?」
「変わんねーな、アイツ」


「野島、惨敗だなあ」
楽屋への道を戻りながら、三池が言った。


「惨敗ですけど、結果オーライです」
輝がさわやかに、そう言う。


すると三池が「野島さあ」と、話だした。


「なんです?」
「途中から、孝志をあおってただろう」
「あはは、わかりますか? だって俺、佐田さんのファンですよ。これから先の佐田さん、見たいじゃないですか」
「お前、大物になるよ」
「ありがとうございます。三池さんは……」
「ん?」
「いつぐらいから、わかってかきまわしてたんですか?」
「んー、俺は少しもわかっちゃないよ」
「そうですか? 疑わしいなあ」
「俺は、舞台をつくるのを楽しんだだけ」
「まあ、いいですけどね」


輝は笑った。


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