消える前に……
綾はそう言った。
ごめんな、
俺笑顔じゃないんだ。
悲しい顔してたんだ。
『暗くてよく見えないや。』
綾の顔もだけど、
俺の未来もだった。
ここまで暗いなら
どこまで暗くたって一緒だ。
俺はすっと目を閉じて、
顔を綾に近づけた。
唇と唇が触れ、
綾が俺に伝わってきた。
その時、
ちょうど俺たちを乗せた観覧車は
頂上にたどり着き、
下では町の光が、
上では星の光が輝いていた。
俺はゆっくりと
唇を離して、
口を綾の耳元に
持って行った。