消える前に……
「どうした鈴木?」
井上先生の声が耳に入ってくる。
顔を上げると、
真剣なまなざしで
俺を見つめる井上先生の姿があった。
その姿を見たら、
前を向いて話せなくなった。
俺はうつむいて
小さく深呼吸をしてから、
話し始めた。
病気の進行具合。
そして、学校を辞めること……。
「…鈴木……。」
俺が話し終えた後に、
井上先生の小さく呟く声が聞こえた。
俺はゆっくりと顔をあげて、
井上先生の方を見た。
井上先生は
悲しい顔をしていた。
井上先生のこんな顔、
はじめて見た。