氷がとけるように。
「山下、今度飲み行こうぜ。
木村、気を付けて帰れよ」


「七海さん、工場遊びに来てね。山下さんも」


エレベーターから売り場に降りた工藤と由紀さんが私達に声を掛けた。


「おう、行こうぜ。連絡しろよ」


「工藤君、由紀さんまたね」


4人で手を振り合い別れた。





「工藤が結婚してなくてほっとした?」


「どうして?」


「木村さん、いつもより笑ってたから」


「それは山下君と工藤君のクダラナイ話が可笑しかったからだよ」


「それだけ?」


「それだけだよ」


フフフと笑い助手席の窓から外を山下君が眺めていた。


確かに昔の工藤がまだいた事に心のどこかで嬉しく思った。







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