～天使ロード～

伝えきれない想い

もっと保健室でのんびりしたい気持ちを露(あらわ)にしないで、保健室を出た。

壁を伝って、ゆっくりゆっくりと歩く。


峰岸先生、生徒と馴染みすぎてもう女子高生でいいと思う。


話をすると楽しいけど、恋愛に関しては降参。

ズカズカと話に入り込んで、いかにも自分の事のようにウキウキする峰岸先生を見てられない。


きっと私も同じ気分なんだよなぁ…


私、昔は友達の彼氏の話を、自分のことのように聞いてた。


いつか私に彼氏が出来た時の参考にしたかったから。


でもその願いは叶わず彼氏が出来ない。


友達に追い越されるばかりで、リア充している友達が羨ましかった。


だから彼氏がいない友達と
"もう彼氏なんていらないじゃん！
友達がいれば十分だよ"

ってお互い慰めあったり…



でも一度くらい恋人は欲しいなぁ。


初めての彼氏が工！！？？




やばい、私もう工の彼女になった気分。


一先ずここは冷静に！
工に何か話しかけないと、疑いの目をかけられちゃうかもしれない。