~天使ロード~
私が廊下に出てしまったが故、二人の前を通らないといけない。

でも私には今、隣に莉央が付いている。

私は勇気を振り絞って通ろうとした瞬間…
青柳さんに声を掛けられた。


「あら、里中さんじゃないの!
もしかして今キスした所を見てたのかしら?」


「だから何なんですか?
私には何も関係ないことです」


「ふーん、工は何もあなたに話してないわけね…
残念」


「一体何のことですか?」


「ふっ、工のお父さんはね、私の会社の部下なのよ!
だから将来の結婚相手として話が進んでるの」


「よくもそんなことが言えますよね…
バカじゃないの?」


「まだ根に持ってるんだ?
あなたのお父さん、うちのお父さんのせいで借金が出来て、しまいには病にかかったそうね」


「青柳財閥がうちのお父さんを殺したのと一緒です!
私は、絶対に許さない
青柳財閥なんて倒産して、消えてしまえばいいのに」


「あら、何それ嫌味?
あなた私に嫉妬してるんでしょ?」


「うるさい、黙って」


「おい、美桜…」



その時、私の名前を呼ぶ工の声がした。


でも私はその場からすぐさま立ち去りたくて、莉央と一緒に逃げるかのように
思いっきり走った。
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