~天使ロード~
「実はね、両親の都合でどっち道転校しなくちゃならなかったの
だから、何の悔いもないから美桜は気にしないで」


「莉央~」


私はそう言って、無我夢中で莉央に飛び付いた。
莉央はよしよしと私の頭を撫でてくれている。


青柳さんがむさーっと怒り狂った表情でこちらを睨み付けてきた。


「笹倉さん、私のこと騙したのね…」


「ごめんなさい」


「まぁいいわ!ますます楽しくなるじゃないの!
私、あなたに負けないから
里中美桜、覚悟しなさい
友情に浸るなんていい気味ね」


「私も青柳さんには絶対に負けない!!」


「あら、面白くなりそうね
オーホッホー」


青柳さんは、奇妙な魔女が毒鍋を煮込んだ時の
あの色素が抜けた不気味な笑みを溢して、教室から出て行った。



教室に残された、私と莉央。



何を話せばいいのだろう…
久々過ぎて、何も分からない。






後々になって気づいた。


これが全て演技だってことを・・・
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