ハートの形した花
温度計事件




昨日の白石の件も片付き、白石とはすっかり仲良くなった。




父さんが、「昨日の敵は今日の友」とかなんとか言っていたけど、その意味が分かったような気がする。




まあ、俺自身は、一度も白石のことを敵だとは思ったことはないのだが・・・




「よお!京介!調子はどうじゃ?」




この「調子」とは、俺と相生のことを言っているらしい。
その証拠に、白石は、相生へと目配せをしながら言った。




「いや、全然」




「いかんのおー。僕も頑張るけん、君も頑張れ!」




協定なんて結んだけど、結局はお互いを励まし合うだけじゃないか。




まあ、だからと言って今更、相生のことを好きになることはない。
俺は、シングルライフを謳歌するんだ。




< 100 / 345 >

この作品をシェア

pagetop