別冊 当て馬ならし
 * * *
お父さんから話が来たのは
1週間前ぐらいだった・・・

毎年この時期になると、
ファルゴアの隣国に
父は剣術指南として出かけていく。

最強の伝説を誇った父は、
ファルゴアで騎士になる前は
各地で浮名を流していた
剣士だった。
その時からの付き合いというのが
現在の外交に役立っていることもあり、
隣国での剣術指南は
立派な公務であった。

そこに、いつもは
牡牛角の鍛冶屋の主人
オーガイルが同行していた。

行き先の国では
オーガイルも同様の旧知の仲だったからだ、
同時にお父さんの武器の
調整役として付き添っていた。
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