別冊 当て馬ならし

最終話 あなたの為にベルは成る

追い込まれて岩壁に足を止められる。

私を左肩からおろして、
「はなれてろ」
そう言ってあたしを庇うように立つ。

右手に持っていた大きな鎚を
肩に担ぐように構える。
左手には頑丈な小手が装備されており、
それを防御に備えて前に出す。

接敵まで時間はない。
迫りくる魔物の声が
波のように聞こえる、
追いつめたことに
狂気乱舞して奇声をあげる。

大地からあたしの力で
引き出せる分のマナを
全力で呼び出す。

魔術式の呪文をなんとか
間違えずに詠唱できた。

白い靄がかかったような魔方陣が
セルヴァンを守るように現れる

それが3つ、彼の前で盾の形を取る。
「サンキュー」
セルヴァンは言って、
防御用に構えていた左手も合わせて
両手でしっかりと鎚をもった。

肩の筋肉がみるみる力を貯めていく。
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