不器用な恋愛
ひろからそっと唇を離す私。


「おしまいです…」


そう言って真っ赤になりながら歩き出した時だった。



ぐいっ




ひろが思いっきり私の腕を引き寄せた。


「な…なに?」


「手だして?」











私が手を出すと小さなピンクの箱が掌に転がった。


「ありがと…」


微笑んでそれを、開けようとした時ひろが私からそれを奪って開けた。


「なんでひろが開けるの!?」


「うるさい。黙ってろよ。」


薬指の感触がおかしい。







うそ。これって…







「指輪?」








震える声でひろに聞いた。









「安物だよ。でもいつか、結婚するとき本物やる。あや…好きだよ。」






「ばか…ひろのばか…」






涙がとまらない私。



そんな私を見てひろはもう1回キスしてくれた。







「泣き虫」






って微笑みながら。











今まで何回この人に泣かされたんだろう。






いじわるして泣かされて








ひどいこと言われて泣かされて








感動して泣かされて









でも…私が涙を見せるのはあなただけだよ。







あなたは私にたくさんの不器用な愛情をくれた









私もたくさん


たくさん



あなたに不器用な愛情を届けたい。







こんなに不器用な私だけど







これだけは、誰にも負けません。







あなたが世界で1番好き☆



-end-
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