『生んで終わりじゃねーのよ』 出産・育児 働くオバちゃんの奮闘記
ここである外国の話をしましょう


A国のとある街では商店街が主な買い物先でした


その街の大きな道路沿いにある日突然、大型スーパーが建設されました


大型スーパーにはなんでも物が揃っていて、価格も信じられないほど安く、車で行ける事が出来てとっても便利だったので住民は皆、そこで買い物をするようになり次第に定価で商品を売っていた商店街は廃れて行きました


当然、その街の店で働いていた従業員さんや店主達は職をうしなう事になったのですが、そのスーパーが雇ってくれました


皆は職に就き、スーパーは大繁盛


周辺の車販売店やファーストフードも大繁盛


結果、商店街から店は一軒も無くなります


さあ、そこでスーパーは急に安売りを止めます


更に従業員のお給料も最低限まで下げ、生活保護を貰わなくては生活出来ない程にしてしまいました


本部はこれでだいぶ儲かりましたが、街の住民達はそのスーパーで買い物をするのを控えます


すると本部はスーパーを潰します


従業員達は当然解雇、街の住民達も買い物先も何もかもを失いました


後に残るはただっぴろい空き地と職を失い、家を失い、買い物先を失い、税金から出る生活保護にしか頼れなくなった人々


物凄く省略しましたが、これ日本にも支店を持つスーパーマーケットチェーンが本国で起こした事なんですね


更にその裏側へ突っ込んで行くと、途上国で厳しい児童労働や搾取をして商品を作らせていたり……


地球の裏側で起きている事だし、そういう国の事だから仕方ないんじゃないとか思わないで下さい


その『安い』は多くの人々の犠牲の上に成立している事、忘れないで下さい


その犠牲はいつ、自分の身や子供へ降りかかって来るか分かりません


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