MOONLIGHT【番外編~ウエディング、新婚旅行!?編】
マスコミでも大々的に、今回のノミネートの件は報道された。
この映画祭については、日本初の快挙となったので、大きく取り上げられたのだった。
おまけに、1月3日に世界一斉にベリー・Bの新展開、『ベリー・B・クール』が発表された。
モデルとなったレイのポスターも新聞、雑誌を初め、街中でも見られるようになった。
あの、刺傷事件の時にスカートのスリットを引き裂いたシーンで、巷でもかなり話題になっている。
夫の俺が言うのもなんだけど、無茶苦茶格好イイ。
街角のレイのポスターが盗まれる現象もおきている。
間違いなく、今レイは話題の人物だ。
つまり、これを機にレイは一般人ではなくなったということで。
案の定、取材が殺到した。
まあ、それは想定内のことだったので慌てなかったが、レイが随分と渋った。
どういう事かというと、つまりはレイにプロダクションに入る事を進めたからだ。
俺の所属している、船津プロに。
菊弥先生の進めもあって、マスコミ対策等を考えるとフリーでいると限界があるとレイを説得した。
まあ、日本を代表する俳優の船津さんの事務所なら、本当に待遇はいいし、融通がきく。
なにより、レイのスケジュールが把握できる。
レイはべべの仕事しかするつもりがないようだから、担当も俺のチーフマネージャーの木村さんに兼務してもらうことになった。
会社側としても、俺達がセットの方が扱いやすいようだし。
という事で、レイが船津プロにはいり、皆ホッと一安心した。
1人不本意なレイを除いては。
「日差しも強くないのに、絶対にサングラスなんてしないわよ。」
空港に向かう木村さんが運転するワンボックスカーの中で、案の定レイが抵抗した。
空港につけば、人目を集めるに決まっているから、サングラスをかけるようにいったのだが。
「はあ。やっぱり、レイはそう言うと思った。じゃあ、サングラスかけないなら、しっかり俺と手をつないでいろよ。」
「何でよ。」
「…そこは、うれしーっていうとこだろ。はあ…あのな、今、レイは有名人なんだよ、だから人が押し寄せてきてぼーっとしてると危険なんだよ。俺は、慣れてるから、咄嗟に対応ができるし。」
いや、単に手をつなぎたいだけのこともあるけど。
「なるほど。わかった。」
レイが素直に頷いた。