MOONLIGHT【番外編~ウエディング、新婚旅行!?編】
次の日は、貪欲に動いた。
せっかくの日本の映画のよさを伝えるチャンスだと思い、できる限りの事をしようと思ったのだ。
まあ、所謂絶好調な状態なわけで。
レイとも何だか前よりも近づいた感じがして。
テンションも上がりっぱなしだった。
積極的に地元のテレビ局のインタビューに応じる。
レイは今日も綺麗で格好いい。
ベリー・Bの黒のパンツスーツに身を包み、颯爽としている。
会場には女優も沢山いるが、レイがダントツで目立っていた。
と、そこへ。
1人の長身のフランス人男性がやってきた。
「Rey!」
俺のレイの腰をだきよせ、自然な動きで、レイの頬にキスをした!!
「もう、将。そんなに拗ねないでよ。」
レイが俺の腕に自分の腕を絡めて、俺の顔を覗き込んできた。
そんなふうに、くっついてきたって、普段の俺なら嬉しいけど。
今は怒ってるんだから!
そういう顔をして、レイを睨むと。
レイがやれやれという顔で、俺の腕からレイの腕をはずそうとした。
だからって。
「外すことないだろ?」
レイの俺の腕にからめている腕を押さえる。
「どっちなの。」
クスクス笑う、レイ。
「…レイは、いつも俺にしがみついていればいいんだよ。」
「いつもは、無理だな。」
「いつも、だよ!」
少しだって、離れていたくない!
「だって。それじゃ、手術できない。」
「…また、レイはいつも現実的だし。」
実際問題、そうなんだけど!
だけど!
「……気持ちはいつだって、将にしがみついてる。」
俺がムッとしていたら、レイが俺の腕に顔を埋めて、ボソリ、とつぶやいた。
ああー!!!
もうっ!!!
「はあ。そんな可愛いこと言われたら、機嫌直すしかないだろ?」
「機嫌…直った?」
「……もう、ひとおしかな。レイが俺にキスしてくれたら、なおる。もちろん、口に、だよ?」
「ええっ!?」
レイが焦っている。
ここは、会場内で普通にノミネート関係者やプレスもいる。
だけど、フランスだから咎められないだろう。
たまにここでも、そういう人がいるし。
レイは躊躇っていたが、さっきの件で俺が相当怒っているのがわかっているから、諦めたようにため息をついた。
そして。
「ちょ、ちょっと、だからねっ。」
と、唇を寄せてきた。
ふ、甘いな。