空を失った青(青空への手紙~君との約束~の番外編)
興奮







ようやく、マネージャーの仕事も様になってきた6月。


あの、感動の夏の大会までは1か月を切った。


日々の練習が過酷すぎて授業中うとうとしてしまうあたし。


唯一の楽しみが…



「彩ー、弁当食べよう!」



そう、このお弁当タイム!


この瞬間だけはぱっと目がさえる。


あたしはうきうきしながらいつも通り、真帆のところへ行き、近くの机をピタッと合わせる。


真帆の席は窓際のためよく空の様子がうかがえる。


よし、今日も青空。


青空ってことは、相原先輩の調子がいい日だ。



「今日は晴れてよかったね。」



真帆が、弁当の卵焼きを頬張りながら空を見つめる。



「本当に……。昨日雨だったし、相原先輩、一段とぶすっとしてたよね?」



あたしも、ウインナーを口に入れて話し出す。



< 19 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop