時わたりatラブ(仮)
女の憎しみは怖いです


ユラユラゆれる籠にはしゃいでたのに、なんか気持ち悪くなってきた。

外みたいなぁ。

一ヶ月もあの部屋で暮らしてたら京の風景忘れちゃうよ。

なんとか、外の様子を‥‥。

もし、新撰組の巡察の時間だったら。

もし、知り合いがいたら。

居場所を伝えられるかもしれない。

そう思って籠についてる窓を開けようとするけど、鍵がかかってて開けられない‥‥。

ら「そりゃ、そうか‥‥。」

だったら、あな、開けよう。

比較的薄そうな和紙のところを指で思いっきりさす。

ビリっ

ら「え。」

なんか、思いっきりすぐに空いちゃった。

良かった良かった。

ら「んー。」

外をのぞく。


あー、懐かしい~。

にぎやかな、京の街。


「そこの籠、とまれ。」



ら「!!」

「なんでっしゃろか。」

うそ。

新撰組の改めだ。

「そのかご、なにが入っている?」

「なにて、お客しかあらへんやろ。」

誰なんだろう。

全然顔はみえない。

見えるのは、新撰組の青い羽織の段だら模様。

「警戒が強くてな。

改めさせてもらう。」

「や、やめとくれやす!!

さ、もう行きますで。」

えっ!

無視しちゃうの!?

ガコンッ

凄い音がして籠が動き出してしまう。

慌ててるのか、籠がすごいゆれる。




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