時わたりatラブ(仮)





そして

ら「ついたね。」

なんというかものすごく緊張して来た。
女が京都守護に会っていいのか?

昭「行かないの?」

ら「う、いく…。」

しっかりと土方から預かった密書を握り光明寺に入った。



「おい!そこのお前!何者だ!」

ですよね〜

女だってバレたくないから喋るの嫌なのに。


ら「会津藩預かり新撰組副長の代わりで参りました。近藤ともうします。御目通りをお願いしたく。」

「新撰組?ふん、わっぱではないか。帰れ!殿はお忙しい。」

ら「そこを何とかお願いいたします。」


頭を下げて必死に頼むけど

「なにか用があれば副長に来させよ。」

となかなか中に入れさせてくれない。

ら「では、お目通りかなうまでここを退くわけには参りません。」

「っ、強情なやつめ。いいから帰れ!」


ら「帰る訳にはいきませんので。」

戦だったてのになんでこんなに堅物なのさ。


暫く睨み合いが続く。


昭「おい、らん。どうするんだよ。」

ら「諦めて帰る訳にいかないから。」





その時



「秋月、なにをしておる。」

凛とした声が響く。はっとして顔をあげるとそこには若く高貴な顔にした人。

もしかするとこの人は


「殿!?なぜここに。」


嘘!!やっぱり松平様だ。


ばっと昭之助くんと頭をさげる。

「この者達が殿に目通りをと、帰れと言っても聞かぬもので。」

松「そうか。
そなた達、新撰組か?」

私たちに言ってるんだよね?

ら「は、はい!副長の代理で参りました。近藤と申します。」

昭「松岡と申します。」

松「そうか。寒かったであろう。ご苦労であったな、こちらへ来るといい。」

「し、しかし!」


松「良いではないか。」


「はっ。」


よかった…通してもらえて。本当に運が良い。

ら「失礼いたします!」


中に入り、松平様の後ろをついて行く。少し痩せていて、病弱だという噂は本当なんだ。


松「さあ。」

奥の方の部屋にとうされて、座るように言われる。

ら「ありがとうございます。
あの、副長から文を預かって参りました。」

密書を手渡すと松平様は興味深そうに読み始める。

松「ふふっ、土方は面白いことを考えるな。土方に了解したと伝えてくれぬか。」

ら「はい。」


松「ところで近藤殿、おぬし女か?」


ら「えっ?」

気付いていたんだ。

ら「はい、そうです。」

松「そうかやはり、新撰組は面白い。名は?」

ら「らん、です。」

松「そうか、らん。女の身で大変な事もあるだろう。だが、皆に認められているなら其れなりの者。しっかりと務めるのだぞ。」

ら「はい!ありがとうございます。わざわざ激励も、感激いたしました。」






















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