鈴芽 ~幸せのカタチ~
『その前に俺の話を聞いてくれるか?』

その聞き方はまるで聞けと言ってるようだった。
黙って頷くと、オジサンは小さく深呼吸してからゆっくり話始めた。

『俺は毎日ここで仕事をサボってるんじゃない。
仕事を探してるんだ。

さすがに40歳だとなかなか難しくてな。』

私の顔を見て悲しげな笑みをみせた。

『会社が倒産したんだよ。

一応家族もいたんだけど、それがきっかけで離婚した。

何もかも無くしてしまったんだ。』
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