鈴芽 ~幸せのカタチ~
第八章 初体験
オジサンに会えないまま、季節は冬になっていた。

時間が経つにつれて、オジサンに対する気持ちもだんだんわからなくなっていった。

私はオジサンのことを何も知らない。

過去のことを教えてくれたけど、どんなに大変だったかどんなに苦しんだか、私は知らない。

オジサンが何を考え、何を思い、何が好きなのか、何が嫌いなのか。

何も知らない。

このまま思い出としてしまったほうがいいのかもしれない。

刺すように冷たい風を頬に受けながら、
今日も公園のベンチに座り、
そろそろ終わりにしようと考えていた。
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