鈴芽 ~幸せのカタチ~
えっちゃんに連れられて行った会社は、すごくこじんまりした会社だった。

時間に余裕をもって、だいぶ早く着いた私たちは、会社の前で時間をつぶしていた。

『鈴木さん。
お早うございます。』

後ろで女の人の声がした。

"鈴木"という名前にはもう条件反射になっていた。

振り向くと、女の人がひとりの男の人に
背後から小走りに駆け寄っていた。

『ああ、お早うございます。』

男の人の横顔が一瞬見える。

オジサン…??

『ちょっと、スズ?!』
気がつくと走り出していた。

『オジサン!!』

走りながら大きな声で叫んだ。
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