りんごの木の下

君の背中


「真ちゃん!!」


そこにいたのは、もうすでに少し雨にぬれて自転車に乗っている真ちゃんだった。



「早く!ぬれんだろ!」

「あ…ありがと…」


あたしは真ちゃんの後ろに乗った。


2ケツをするとき、あたしは怖くて前の人にギュッとしがみつくクセがある。


真ちゃんの大きな背中はもう雨にぬれていたけど、とっても温かかった。



そんな背中の後ろに





あたしは静かに寄り添った。


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