【続】早瀬くん、好き。


そう…あれは中学3年の時ーー。


あの時から由梨ちゃんはモテモテで
人気があった。

けど、私とは何の面識もなかった。

あの日、由梨ちゃんが私のクラスに来るまでは…。


「鮎原ー。
なんか隣のクラスの女子が呼んでっぞ」


私にそう声をかけたのは隣の席の
中津海(なかつ かい)くん。


とても明るくて優しいかったからクラスの人気者だった。

おまけに顔もかなりのイケメンで女子からも絶大な人気を誇っていた。



「あ、うん!
ありがと中津くんっ」


「おー。
授業遅れなんよ、鮎原ドジっ子だからなっ、はは」


そう言って二カッと笑う中津くんに何人もの女子が恋に落ちただろうか…。


私は別に恋とかで好きだったわけじゃないけど困ってるときはいつも助けてくれたし、大切な友達だった。

本当にただそれだけだった。



なのにーー


「鮎原さんって絶対中津のこと好きでしょ?」


由梨ちゃんが初対面の私に言ったひとことがこれ。


「え?
別に好きとかじゃないですけど…」



「本当に?
私今中津狙いだから邪魔しないでほしいんだよね。」



えっ、中津くんのこと好きなんだ。


別に邪魔なんかしないのに。

中津くんもこんな可愛い子に好かれて嬉しいだろうしねっ!


「別に邪魔する気ないですけど…」



「あっそ。
ならいいわ。

んじゃあねー」


と言って自分のクラスに戻ってた。








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