あたしの好きな人



ーパンッ




スタートの合図が鳴って選手が一斉に走り出す。



あちこちから声援が聞こえて、あたしも大きな声で応援する。




「千枝ちゃーーーん!!」




足の速い千枝ちゃんは前の人を一人抜いて次の人にバトンを渡した。




「千枝ちゃんナイス!」

「ありがと!波奈も頑張れ」

「うんっ」




ちょっと緊張してきた



あたしは走るのが好きで、アンカーにバトンを渡す大事なところで走る。




「A組頑張れー!!」

「ファイトーーー!!」




すごい!みんなすごい!


スタートからだんだん速くなって、1位に追いついた。



だけど、勝負事はそんな早く決まらず、バトンミスで最下位まで落ちてしまった。




「大丈夫大丈夫!がんばれ!」

「いけぇーーっ!」

「がんばれー!!」




A組で本当に良かったと思える。

みんなすごく優しい。



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