〜双子の憂鬱〜

その4


「・・・可愛い女の子になりたかった。」


陸のうちで濡れた体を温めるためにお風呂を借り、着替えまで借りて今に至る。


ソファで膝を抱え、呟くように由有は気持ちを吐き出した。


「可愛い女の子?由有は充分可愛いと思うけど。」


キッチンでコーヒーを入れながら陸が答えた。


違うのだ。
男の彼が言う”可愛い”と自分がいう”可愛い”は。



「実有になりたかった。
素直で可愛くて。いつも笑顔で。
・・・双子なのになんでこんなに違うのかっていつも思ってた。」


好きだった翔太も、実有を選んだ。


お前じゃない。

お前をそういう風に見れない。


・・・そう、言われた気がした。


< 136 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop