叙情
あーあ・・・せっかく彩り良く並べてたのに・・・


まぁ、食べちゃったら同じだけどさ。


そして、いい具合に煮詰まってきた所で



「あれ、まひろ?」


帰ってきた総一の第一声が
その言葉だ。


バカみたいに傷ついてしまっている私は

やはり、心が狭いのだろう。



「親父は?家にいねぇの?」


「今夜はね~、会合とかで
出張なの。ふふふ」


うれしそうに総一に話ながら


「だからね、今夜は
美味しいお肉買ってきて
すき焼き作ったんだ~」


「マジで?うわっ
マジうまそう・・・」


「美味しいかは分かんないけど
頑張って作ったから
全部食べてよー?」


私の中に、何か分からない疑問が流れているのだけど・・・


えーっと・・・・


豆腐切っただけで

何か・・・自分1人で作りました感アピールが・・・


何だろう。私が小さいのかな・・・


「お、真弓も手伝ったのか?」

「あ、うん」

「そうそう、真弓ちゃんに
豆腐切ってもらったのよ。」


は?豆腐切ったのあんたじゃ?


「それ手伝ったって言うのか?ははは」


そうよね、ほんと。
それ手伝ったって胸張って言えないレベルだよね・・・
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