叙情
ようやく、唇が離れたけれど


「あー、やっべぇ・・・
がっつきすぎた。
怖くなかったか?
これじゃあ、
真弓襲ったバカ男と同じだな・・」


私の顔を心配そうに見ている。


もう、ダメだ。

ごまかせない。

怖いどころか

何されてもいいとすら思ってしまった。


「ごめんなさい・・・
ありがとう」


声が震え
涙が出てくる。


好きになってしまった。

そう実感すると

苦しさが倍になって襲い掛かってきた。


好き、好き、好き。


受け止めてもらいたい。

でも、この人が見ているのは
私なんかじゃない。


そう思えば思うほど

涙は止まらなくなる。




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