不器用なあいつ。






 出た。みつきちゃんお得意の泣き落し。



 目に涙をいっぱいためて、上目遣いで私をみるみつきちゃん。





 そんな目をしたって聞かないんだからね!



 そんな目をしたって!! そんな目をしたって……。












「もー、今回だけだからね?」










 ため息をついてそう言えばみつきちゃんはさっきまで泣いていたのが


 嘘のように、ぱぁっと明るい笑顔になる。




 ああ、またやってしまった。



 高校に入ってからこれで何回目だろうか。










「やった!佳澄大好き!!」

「はいはい」









 そんなこんなで私たちは、店内へと入る。











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