不器用なあいつ。
座席の券と交換してきてくれた渡辺君が笑顔で私たちに券をくれた。
お礼を言って券を受け取る。
私たちが受け取ったのを確認した渡辺くんが笑顔で手を振った。
「それじゃ」
「「……ん?」」
多分、そう言ったのは大ちゃんとほぼ同じタイミングだったと思う。
何故みつきちゃんと2人で先に行ってしまうのだろう。
みんなで映画を見るんじゃないのだろうか。
なんて疑問が浮かぶ。
「は、ちょ、ま、お前どういうことだよ?」
それは隣にいる大ちゃんも同じみたいで。
大ちゃんは小走りで渡辺君を追いかけ、腕をつかんだ。