真っ暗な世界で
第3章

新たな不審者

入隊して、半年が経った。


夏が過ぎ、秋が去り、今はもう、一面が銀世界の冬だ。そう、風が季節の変わり目を教えてくれる。


ツンとした、鋭い冷たさと同時に雪の香りがする。


入隊して2週間はずっと、観察方の人に見張られていた。


………お風呂の時と厠以外。


3週間目からは監視が外れ、本当の意味での隊士としての生活を始めた。


やはり、目が見えないと不便なことばかりで。


それを平隊士に悟られないようにするので毎日毎日精一杯だった。


そして、私は晴れて観察方に入ることになった。


その切っ掛けは、皮肉にも芹沢鴨の暗殺だった。


土方さんの配慮なのか、それとも観察方に入ったからなのか、私は平隊士とは違い、部屋を与えてもらった。


平隊士の時は大部屋で10人程度で雑魚寝をしていたので、夏の夜は言うまでもなく、地獄だ。


あの頃がもう、遠い昔のことのように思えて仕方がない。






< 39 / 195 >

この作品をシェア

pagetop