君の世界からわたしが消えても。

 そんなことを考えても、どうすることもできないってわかっているのに、わたしの負の思考は止まりはしなかった。


 ……全部、昨日の夜から考えていたこと。


 違う、もっとずっと前から、心の片隅にあったこと。


 カナに言われた一言に、傷ついたから。


 希望が、そこにないと知ったから。


 何度も何度も考えてしまう。


 ……こんなに悲しくて、苦しいなら。


 こんなふうになるって、知っていたら。


 ミヅキの代わりになろうだなんて、きっと思わなかった。


 こんな結末が待っていると知っていたら。


 カナを好きになんか、ならなかったのに……。


 ただみんなで笑い合ってたあの頃が大好きで、一緒にいられるだけで幸せで。


 そういう毎日を、みんなと歩んでいきたかっただけだった。


「……わたし、イチを好きになっていればよかったなあ」



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