秋の扇

「ん、?」

「あたしも、イトに迷惑かけるかもしれないから..」

「..ん。そんなん痛くも痒くもない!」

一瞬キョトンとしたミワに笑ってしまった。

「ありがとう!」

ミワが嬉しそうに笑った。

「ケイ..元気?」

中学を卒業した私達は、それぞれ進路が別れ、会う機会も減っていた。

ミワは夕星高等学校に。

私とケイは清歌高等学校に。

高校が離れたミワはそれでもケイを想っていた。
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