秋の扇
私とカツノリはたった二人の家族で。
約三年前。
カツノリは中学三年生、私が中学一年生のとき。
両親を事故で一度に亡くした私達は、悲しみにひしがれた。
それでもカツノリは泣き続ける私をみて、日に日に、まるで別人のように強くなり一切泣かなくなった。
それからずっとカツノリに守られて私はここまで生きてこれた。
だからあんな顔させたらいけない。
わかっているのに。
どうしてもアキから逃れることができなかった。