浮気男と俺様男
「てめぇもう一発殴られてぇか?」
ずっと黙って話を聞いていた篤稀くんは、痺れを切らして口を開いた。
その威圧に、智哉はもう何も言えなかったみたいで、衣服を整えて逃げるようにここから離れた。
「……ひっく……とも…や…」
もう立っとくのも辛くて、その場に泣き崩れる。
篤稀くんはそんな私の頭をぽんっと撫でて屋上に戻った。
なんで篤稀くんがこんなに私のために智哉に言ってくれたのか、それは分からないけど、今はそれどころじゃない
もう無我夢中に泣いた。