彼女からの最後の贈り物
俺はそこらじゅうの空気を思い切り吸った。

心地よかった。

この、誰もいない美術室の静けさと、俺の頬をなでるような柔らかい風が。

そしてぼんやりと空を眺めた。

「こら!サボり発見!」

ビクッ…

急に美術室に響いた声に驚く。

俺は、声の主を探した。

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