LOVEPAIN④
「疲れたか?」
不意にそう問い掛けられ、え?、と返してしまう
「だって、今日お前、全然喋んないから」
「そうですか?」
そうなのだけど、はい、とも言いにくい
それに、いつもと違うのは私だけじゃなくて、成瀬も
「やっぱ、気にするよな。
でも、俺に対して、そんな姿を見せる事に悪いと思ってはないみたいだけど。
ま、べつに、悪いと思う必要もないんだけどな」
俺もお前もこれが仕事だし、
とポツリと呟いた
鋭いと言うか、私の考えている事って、
そうやってバレバレで
隠しているわけではないけども
はぁ、と溜め息が出てしまう
「――成瀬さんに対して傷付けばいい、と思ってしまいますよ。
それは前から思ってました。
でも、成瀬さんがその時、どんな気持ちで私を見ているかをあんな風に知ってしまったから……。
躊躇うような気持ちも芽生えたり。
私自身、矛盾しててしんどいです」