LOVEPAIN④

「あ、あの、ごめんなさい」


取り繕うように謝ってしまうが、

成瀬は驚いたようにこちらを見ているし、
宮岡さんは、悔しげに唇を噛み締めていた




「おつかれさまですっ!!」


そう怒鳴るように宮岡さんは口にすると、

私達に背を向けて離れるように歩いて行く



その背は、成瀬にフラれて悲しいと言うよりも、
腹ただしいと言っている




「お前、けっこう怖いな?」



「私もなんでそんな事を口にしたのか、自分でも」



時々、こんな事が有る


キレると私は自分が自分ではないようになる



今も、そんな感じだった




「なんつーか、あれだな」


そう笑いながら、成瀬は出口の方へと歩いて行く



あれ、って、なんなのだろうか?


と、私はその成瀬の後を追う





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