Innocent Smile~ずっと一緒に~

「何をそんなシケた顔してんのよー!」


朝、会社に着いて自分のデスクに座ると、
後ろからそんな声が聞こえてきて、肩をポンと勢いよく叩かれる。

振り返ると沙織先輩が立っていた。


「佐那子、最近また元気ないっぽいけど、またなんかあったの?
……仔犬ちゃんと。」


先輩は必ず恭哉のこと“仔犬ちゃん”って呼ぶから、それだけで笑いそうになる。

ていうか、私に何かあったとしても、
恭哉と必ず結びつけるあたりが、沙織先輩らしい。

まぁ、当たってるから反論できないんだけど。


「それとも、仔犬ちゃんは元気そうだから…関係ない?」


実はそうなんだよね。

恭哉の中では答えが出ているからなのか、
それとも、どうにでもなれっていう開き直りなのか。

とりわけ考えこんでいたり悩んでいる素振りは、恭哉には見当たらなくて。

会社でもいつも通り、笑って明るく振舞ってるし……


< 319 / 374 >

この作品をシェア

pagetop