世にも奇妙な話
ベルリンの壁に描く絵
 私は戦争が嫌いだ。

 それは誰でも共通のことであろう。もし好きだという人がいたとしたならば、それは明らかに狂言か、変態の戦争マニアだと、大体の相場は決まっている。もしくは武器などの製造を行う企業。それ以外考えられない。

 しかし私も生まれてからずっと嫌いだったわけではない。どちらかといえば、この変態の族に位置していた。ゲームで戦争や戦闘のゲームが好きだったからだ。

 それに戦争を味わえるのは、今ではゲームの世界でしかない。それは私のいる国が、住んでいる国が平和であることを示し、象徴としているからだ。ただ攻めて、守って、その繰り返しが、単純作業が好きだった。

 しかしその戦争好きも今では違う。それは中学生の頃だったか。あんな体験はもうしたくないと思う。だが逆に経験してよかったと思う。もしその経験がなかったら、私はどうなっていただろうか。その経験があるからこそ、今の私がいるのだ。戦争の残酷さを、戦後の世界を教えてくれた。

 あの経験のおかげで、私はいることができた。


 私は担任の先生の使いで、倉庫に向かっていた。そしてもう一人、私の友人も任命されて一緒に行く。いや、半ば強情について来た。友人は面倒くさそうにぼやいていたが、私は掃除をサボれることに喜びを感じていた。頼まれたことは、この用具を置いてきてほしいということだけだった。

 人が多く通る廊下から忽然と閑静に変わり、そしてまだは言ったことのない倉庫へと足を踏み入れた。

 埃が舞っていた。友人は文句を言っていた。一つの窓から光が差し込み、埃は雪のようであった。しかし二年間この学校に通学して、まだ初めてというのもおかしい話であった。

 用具を置いて早く帰ろうと言う友人をよそに、私はそこに留まることにした。早く戻っても何もすることがないし、掃除しなければならない。

 埃を吸わないよう気を付けながら、私は倉庫の探索を始めた。

 まだ見たことのないものから、運動会で使うような用具まで揃い、しかも身体測定などに使うものまであった。まるで骨董品屋のようで、見ているのが面白い。そしてその中に、なぜか石が置いてあった。変な色で彩色されていた。どこかの壁からポッコリと持って来てしまったかのようだ。
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