【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー




「おっはよー!」


沢森の可愛さに耐えきれなくて机に突っ伏していると、突然そんな声と共に背中に強い衝撃。


「痛っ!」

「え、ごめんそんな強かった?」


驚いて振り向くと、そこには滑川が立っていた。


どうやら俺の背中を叩いたのは滑川らしい。一体そんな華奢な体のどこからあんな力が出てくるのか。


……人は見かけによらないな。


と、いうか。


「滑川……髪、切ったんだ?」


胸元くらいまであった髪の毛はバッサリと切られていて、ボブになっていた。


明るい茶色の髪の毛が日光に透かされてキラキラと反射して眩しい。


「うん!気分を一新しようと思って」


なかなか似合うでしょ?と髪の毛を触る滑川。


「ほら、よう言うでしょ失恋したら髪の毛を切るって」

「あー……」


確かによく言う。


……というか、その失恋させたのって俺だよな?


思わず言葉に詰まっていると、滑川がくすっと笑った。


「やだもうそんな気まずそうな顔しないでよ!」


そしてまた俺の背中をバシーンッと叩く。


だから痛いって!!



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