【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
自分の頬を両手で覆いながら、困ったような、照れたような表情になる沢森。
「……お世辞な訳、ないだろ。俺、お世辞とか言えない奴だから」
「……」
沢森はますます真っ赤になって、黙りこんでしまった。
そんな沢森にクスリと笑ってから、沢森の手をそっと取った。
沢森が、驚いたように俺を見上げる。
「あのあのっ、木村君!手、手が……」
「嫌なの?」
「いやっ、そういうわけじゃないよ……っ、でも、は、恥ずかしいし、私、手汗が……っ」
「気にしない。てか、手汗なんてかいてないし」