別れたオトコと会う時は

スピーチ

左手に新郎側、右手に新婦側の真ん中にある8人掛けの円卓に、わたしは自分の席を見つけた。


黄金色の屏風に程近いわたしの席の右隣に、アイツの席があった一。


一奈津美ちゃん一


わたしは心の中で新婦の名前を呼ぶと、その新婦・新婦の粋な計らいに戸惑いながらも黙って席に着いた。


『ハナちゃん。近いね!』


アイツを挟んで、松田くんがわたしに声をかけて来た。


『うっせ、お前は黙って座ってろ。』


アイツが松田くんに向かって言う。


『ヒドイっすよ。杉田先輩…。なんか今日、オレに冷たくないっすか?』




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