シナリオ「はりぼて代表取締役」

破産決意

   微笑みながら実演販売中の松平。

松平のN「結局、協会の窓口が出向社員で事情のわからないもの
 でしたのでと上司から詫びが入り、翌日夕方銀行で家賃学費と
 水道光熱費をその場で払わされて手にした現金は3万円だった。

 これじゃもうほかのところへの返済はできない。向こうの言い分
 としては、サラ金にはちゃんと払っとるのにこっちには払えてない
 のはけしからんというわけだ。同じことを国金の時にも言われた」

〇佐藤宅、外
   「庶民の味方佐藤議員」のポスター。

〇同、応接室
   佐藤議員と松平が座っている。
   テーブルの上にA3の資料。
   佐藤、じっと目を通している。

佐藤「自己破産しかありませんね。この際ご一家一致団結して
 元気いっぱい自己破産して免責をいっぱいもらって
 ゼロからやり直してください!」

   松平、目をいっぱい見開いて、
松平「は、自己破産、わかりました!」

松平のN[心強いお言葉、これで決まった!。長い人生めったに
 こういう機会はない。この際じっくり自己破産なるものに
 挑戦してみよう!」

   松平、立ち上がる。
松平「免責を勝ち取りましたならば元気いっぱいまた報告に参ります。
 今回はほんとにありがとうございました」

   松平、深々とお辞儀をする。
佐藤「ほやな、秋口までには免責取れるやろ。しっかり頑張ってください」
   佐藤、立ち上がり松平と握手をする。
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