blue moon
それぞれの事情
「手冷たいなぁ」

青夜は
自分のダウンのポケットに
アタシの手を入れた。

寒さの限界で
月見をやめ
部屋に入ることにした。

買ってきた
ミルクティーのフタを
あけようとしたら

〜♪♪♪♪〜

アタシの
携帯電話が鳴った。

着信表示を見て
ためいきが出た。

「はい」

めずらしく
無愛想に電話に出たアタシにおどろいたのか
青夜は
心配そうに見ている。

「お姉ちゃん??」

甲高い甘えた声の主は
妹だ。

「なに?」

アタシは
さらに無愛想に言った。

「元気してる?」

姉妹なら
よくある会話だが
この妹は
アタシが元気かどうかなんて
本当はどうでもいい。

「用はなに?」

アタシのこんな
無愛想さとイライラは
メッタにお目にかかれない。
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