17歳─恋のはじまり─
第3章 高2─冬─

1.「…諦めない」

キーンコーンカーンコーン…


ガチャ…と屋上の
扉が静かに開いた。


「寒っ」



千紗が屋上へ足を
踏み入れて。

ゆっくりとあの場所へ
向かう。


すると、


「おせーよ」

「…佐々木くん」

「………凍える」

「うん、ごめん……」



マフラーを首に
ぐるぐる巻きにして、

座り込んでる佐々木くんが居て。

あたしは隣に座り込んだ。


「………」

「………」


2人の間に沈黙が流れる。

冷たい風があたし達に
ぶつかる。



「……ごめん、佐々木くん。あたし、もう佐々木くんとこうやって会わない」

「……振られんの?俺」

「……っ」

「同じ、気持ちだと思ってたけど」

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