17歳─恋のはじまり─

2.「負けんなっ」

ガラッ

ある日病室の扉が
いきなり開いて。


誰かが病室へと
足を踏み入れた。


その音にベッドで横になる
瑛司が視線を向けて。

軽く鼻で笑うと、


「…お前の言う通りにしときゃ、良かったな。…佐々木」

「……」

「1日でも早く、病院に来てれば…何か違ったかもしれない」

「…無理に話すな。顔色悪い」


沢山の管に繋がれて
口元には酸素マスク。

ここまで進んでるとは
思わなくて、

戸惑った。


「…これ、お前に託す」

「は?」


瑛司から差し出されたものに
佐々木が驚いて。

瑛司を見た。
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