17歳─恋のはじまり─

3.「幼馴染って、そんなに特別なのか」

冬休み真っ只中。

病院内のデイルームで
千紗が外を眺めた。


チラホラと雪が降り出して
ギュッと缶コーヒーを
握りしめる。


「よー…」

「あ、佐々木くん…」


そこへ佐々木くんが
やってきて、

ガタッとあたしの前に
座り込んだ。


少し沈黙が流れた後、


「アイツ、相変わらず?」


口を開けたのは佐々木くんで。

あたしはコクリと頷いた。


瑛司は、
あれから目を覚まさない。

先生から説明を受けた
おばさんによると、

血中の酸素濃度が
下がったということと、

意識がなくなったということ
だけ聞かされた。


酸素マスクも

シュー…と音を出すマスクに
変わってて。


素人のあたしには
よく分からないけど、

多分普通の酸素マスクでは
ない気が、する…
< 219 / 302 >

この作品をシェア

pagetop