17歳─恋のはじまり─
軽い言葉ばかりかけて…


「当たり前だ」

「え?」


あたしの言葉に
佐々木くんは、

コーヒーを飲みながら
そう言って。


「俺たちは素人だ。何も分からなくて当たり前だし、素人じゃないからって気の利く言葉をかけてやれるとは限らない」

「………」

「でも、お前の真っ直ぐな気持ちは伝わってる。言葉がなくても…。だから、おばさん達もお前に必死に言葉を投げかけんだ」


言葉がなくても、
真っ直ぐな気持ちが伝わる…?


「少なくとも俺はそうだった。俺に、何言われてもお前が側に居たから、こうして俺はここに居る」


グッと唇を噛み締めて
下を向くあたしに、

佐々木くんは続けた。


「何も、言葉だけが全部じゃない。ようは気持ちなんだよ」

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