17歳─恋のはじまり─

3.「…またお前か」

「あれ?千紗ー?」


放課後。

瑛司が千紗の教室を
覗き込んだ。


いつもなら待ってるはずの
千紗が見あたらなくて。

瑛司が首を傾げた。


…入れ違い?



「千紗なら居ないよ」

「…早川。千紗どこ?」

「…屋上に行った」

「屋上?何で?」



立夏がふいっと
瑛司から顔をそらした。

言っていいのだろうか…

いや、でも一応
言っておくべきか。



「…瑛司くん、千紗にはいつ言うの?」

「え?」

「…あたしが、言うのもあれだけど…千紗、全然瑛司くんの気持ち気づいてないよ」

「………」

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