お見合い結婚


「昔の女を出すのを辞めてくれないかな?
オレの好きなのは由香だけだし
由香に そんなこと聞かせて
苦しませたくないんだ」



昔の女・・・。
彼女を昔の女呼ばわりしてまで
守りたい実家の会社
あたしは複雑な心境だった
だから顔も強張っていたはず。


「それ ホントなの?」


「そうだよ
姉貴はあることないこと言い過ぎるよ
あんな人使って
オレらの仲を壊そうだなんて
バカな考えだよな!
それこそ姉貴たち会社目当てで
あんなのが継いだら潰れてしまうよ」


「何ですって!!!」


「橋本さんに話聞いたけど
いくら賄賂渡したわけ?
うちに財布を忘れたのが
命取りだったな」


「はぁ?」


「由香の方が上手ってこと!」


財布を先に見つけて
免許証は 取っておいたこと
それをもって 橋本さんに連絡して
事情を聞いたことを 説明した。


「そう言えば 千鶴は変だったのよね
由香子さんに会いに行こうって
急に誘って来たし
行くわよって 連絡しようとすると
突然押し掛けて 驚かせましょーよ
なんて言うから」


って。。。




「何てことするの?」


お母さんは お姉さんを責めた。


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